津尾尋華の漫画実写化映画鑑賞

漫画の実写映画の感想など書いていこうと思います。

珍遊記  2016年

珍遊記 2016年 山口雄大監督。松山ケンイチ主演。

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魁!クロマティ高校、激情版エリートヤンキー三郎、極道兵器の監督という今後もおせわになりそうな山口雄大の監督作品。てか、この人ババアゾーンも、地獄甲子園も監督してるのね。

 

冒頭からババアとじじいがちんこの話をするというバリバリの画太郎節。倉科カナ演じる玄奘がちんこちんこと連呼するのや、ジジイババアの造形など序盤の原作再現度はかなり高いです。松山ケンイチ演じる山田太郎のやからものムーブも流石に上手く、珍遊記の実写映画化という点だけに絞ればかなりの高得点なんですが。ただ、珍遊記の実写化を待ってた層はどれだけいるんですかね…。

 

 もともと原作自体、北斗の拳や、シティーハンターキャプテン翼幽遊白書るろうに剣心スラムダンクなどの看板漫画ほど人気を博したわけでもなく、短館系の知る人ぞ知る映画化というわけでもなく、カルト的人気を誇ったというほどでもないギャグ漫画。画太郎先生が漫画界では特異な立ち位置にいることは間違い無いですが、25年前に連載のそこそこ人気のギャグ漫画を実写にしたニーズがそんなにあるとは…。

 

たけし、きよし、やすしのたけし軍団やラーメン屋の珍珍、居酒屋での画太郎大暴れのシーンとかほんと再現度が高いというか、漫画太郎の雰囲気は出してるんですよ?でもまあ、原作知らない人が楽しめるかというと、そもそも漫画太郎作品はは一般受けしねえ!ってなっちゃうんですよね。

 

後半は原作がまとまっていないため、綺麗にまとめるためにオリジナルキャラクター龍翔の恋と太郎との戦いに話がシフトして原作からさらに乖離します。話は綺麗にまとまっていますが、中華ファンタジーだったのに外人部隊が出てきて銃火器で戦うなど、初見の視聴者はますます置いてけぼりになるんじゃ無いでしょうか、いや、画太郎先生らしいんですけど。

 

珍遊記原作ファン、漫画太郎ファンにはオススメ、原作未読で画太郎ファンでもなければ訳がわからないギャグ映画というテイストじゃ無いでしょうか。個人的には完成度高いと思います。70点。